かたや、シンハーコーポレーションはビール事業は好調だったが、スナック菓子事業では苦戦していた。マーケティング部長のナット氏は「われわれはナンバーワンの企業になりたい。そのために、製造のノウハウや高い品質を持つパートナーを探していた」と、提携の動機を語る。
両社は2013年秋頃から提携に向けた交渉を開始。「お互い、創業者の長男が経営しており、ビジョンを共感できた」(ナット氏)こともあり、とんとん拍子で話が進み、15年3月、タイに合弁会社「シンハー三幸」を設立した。
タイ進出の第1号には、主力ブランドの「雪の宿」が選ばれた。タイ国民が雪にあこがれを持つことや、甘じょっぱさが現地の菓子には珍しかったことが理由だった。売り上げ目標は、3年目に年間10億円以上を掲げる。
製法には妥協を許さなかった。地元・新潟市の工場から熟練の技術者をタイに派遣し、同じ仕様の製造ラインをシンハーコーポレーションの工場の一角に設置した。十分に時間をかけて丁寧に焼く製法を守るためだ。