小藤氏は「8割はレース前に決まる」と言う。工場からサーキットに持ち込む車両のセッティングは、あらかじめデータを分析してコースとの適合性を調べ、「これにしよう」と決め打ちする。「その時点で読みを外すと、ほぼ終わりです。現地で大掛かりな修正はできません」。そのような事態を避けるために、普段からテストを重ね、データを収集して車両性能の熟知に努めている。
「チーフエンジニアはクルマについて知らないことがあってはならない。レースの責任を取るのも仕事。引き出しが多いほうが有利です」
《損傷が激しければ徹夜で修理》
マシンを操縦するのはドライバー。運転しやすいセッティングを見つけるには、「ドライバーの要求を理解して、データと照合して調整すること。仕事で一番大切にしていることは、ドライバーとの信頼関係です。信頼がなければ何もうまくいきません」と語る。