郵政3社上場 個人投資家が主導 順調な滑り出し 市場活性化に期待

2015.11.4 23:17

 4日上場した日本郵政グループ3社の初値はいずれも売り出し価格を上回り、株価は終日堅調に推移するなど、NTT以来の大型上場は順調な滑り出しとなった。主な売り出し先である国内の個人投資家からの人気を改めて示した形だ。初めて株式を買った人も少なくないとみられ、個人投資家の裾野が広がり証券市場の活性化につながるとの期待が高まっている。

 「予想以上に上昇した。買いが多かったというよりも、売りが少なかった。中長期で保有したい個人投資家が多かったようだ」。4日の郵政3社株の値動きについて、SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストはこう分析する。初値に基づく時価総額は、ゆうちょ銀行の7兆5600億円(自己株式を除くと6兆2991億円)を筆頭に3社とも大規模となった。

 3社株の終値は、売り出し価格を15~56%も上回った。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「抽選に外れて売り出し株を買えなかった個人投資家の買いや、上場直後の荒い値動きに着目した短期資金の買いなどがあったのではないか」と指摘する。

 郵政3社は「成長余地が限られ、決して魅力的ではない」(市場関係者)といわれる中、抜群の知名度や高い配当利回り、割安感に目を付けた個人投資家の買いが主導したとみられる。

 特にかんぽ生命保険の株価は「売り出し株数が少なく、需給が引き締まった」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)ことで他の2銘柄に比べ上昇率が高く、ストップ高で取引を終えた。

 また、「郵政3社の上場が(株式相場に)活況をもたらした」(SMBC日興証券の太田千尋投資情報部部長)ことで、4日の東証1部は大商いとなった。売買代金は3兆3892億円と、この1カ月間の平均にあたる約2兆4千億円を大きく上回った。銘柄別にみた売買代金では日本郵政とゆうちょ銀、かんぽ生命がトップ3を独占した。

 今後の3社株の見通しについて、松井証券の窪田氏は「年末までは株価指数への採用を見込んだ買いなど一定の需要が見込め、当面は堅調な値動きが期待できる」と話す。ただ、グループの成長戦略が見えにくいことへの懸念も根強く、SBI証券の藤本氏は「株価は下落に転じる恐れがある。そのときに切り返すには、保有不動産の有効活用など成長戦略が問われる」との見方を示した。(森田晶宏)

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