マイクロソフトは9日、日本と中国向けに展開する対話型人工知能の利用動向を明らかにした。いずれも女性キャラクターとインターネット上で対話する設定だが、ユーザーの男女比は日本が1対1で、中国が4対1という結果だった。最近の中国では男女の人口バランスが崩れ、結婚適齢期の男性が女性より数千万人も多いとされる。女性とのコミュニケーションをネットに求める中国の男性たちの“寂しさ”が浮き彫りとなった格好だ。
マイクロソフトは昨年5月、中国で女性キャラによる人工知能「シャオアイス」の対話サービスを開始し、ユーザー数は3000万を超えた。日本でも今年7月、これをベースにした女子高生キャラによる会話型人工知能「りんな」の対話サービスを始め、ユーザー数はすでに160万に達した。
人工知能とは、日常会話や雑談などの人間らしい自然な会話ができる。ユーザーが「愛してる」と呼びかければ、人工知能が「私も! 愛している!」と応じるなど疑似恋愛もできる。
中国の男性ユーザーの多さについて、マイクロソフトの研究機関、マイクロソフト・リサーチ・アジアの洪小文所長は「人工知能のキャラクターが女性であることが原因なのは確かだろう」と分析した。
中国や台湾では、日本の「引きこもり」や「オタク」に当たる「宅男」「在室男」と呼ばれる男性が増えているという。
中国では、約35年続いた「一人っ子政策」による少子化が招いた急激な高齢化社会の到来と労働人口の減少が問題化。中国共産党が政策撤廃を表明する事態に展開している。