エレベーターに“お国柄”が表れるのはインドも同じだ。急速な経済発展に伴う電力不足を受け、永久磁石モーターやLED(発光ダイオード)を採用し消費電力を大幅に削減した。万が一の停電時でも、標準仕様として備えるバッテリーで最寄り階まで走行し、安全を確保できる。
来年7月には、約18億3300万ルピー(約34億5000万円)を投じた工場がカルナタカ州ベンガルールで稼働を始める予定だ。生産能力は年間5000台。現地で部品を調達し生産することで競争力を強化し、インドで20年度に計画する新設受注をカバーする。
安全性が強み
既に製造拠点があるタイでも来年、同国最高速となる分速480メートルのエレベーターを複合商業施設「マハナコン」に納入する計画だ。
三菱電機の強みは昇降機を核に、ビルの入退室管理や監視カメラなどのセキュリティーシステム、空調・照明との組み合わせによるエネルギーマネジメントシステムなど機器とシステム双方を提供できることだ。
例えば、入退室管理システムとエレベーターを連動させ、行き先階を指定し他の階では降りられなくするセキュリティー技術。テロや犯罪への警戒感度が高い欧米などで特に需要が大きいという。
「今後、日本もセキュリティーニーズはますます高まっていく。当社の強みを生かして今後浸透させていきたい」と阿部常務執行役は語る。世界を舞台に“飛翔”が続く。(宇野貴文)