不透明な不動産売買、IT業界参入で一変か ソニー不動産など新サービス (2/6ページ)

2015.11.27 07:03

 従来、マンションなどの不動産を売却するには、不動産仲介事業者に持ち掛けるという手法以外にほぼ選択肢がなかった。新サービスでは自分のマンションを自分で値付けし、セールスポイントなどを添えて、自分で売り出す。購入検討者は、価格交渉以外の質問などを直接売り主に聞くことができる。

 実際の売買ではソニー不動産が仲介して手続きを行うが、物件の内見前までは個人間で匿名でやり取りする。「これまで売買を検討していなかった人にも、カジュアルに利用してもらいたい」(ソニー不動産の西山和良社長)との考えからだ。

 不動産売買が不透明とされるのは、主にその価格。路線価や公示地価などはあるが、これまで自分の保有するマンションなど不動産の時価はよく分からず、「不動産会社によっても大きく異なる」(ソニー不動産の風戸裕樹執行役員)のが実情だ。このため不動産会社に「安く売らされてしまうのではないか」(業界関係者)などという不安感から、売却に慎重になっていた。

 さらに仲介手数料も上限が売買価格の3%+6万円と法律で決まっており、ほぼその料金が適用されるケースが多い。だが、その内訳は不明確な上、売り手、買い手双方から手数料を取る“両手”取引が一般的で、不信感を持つ消費者は多い。

ソニー不動産はこうした業界の不透明な構造に逆に商機を見いだし…

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