ソニー不動産はこうした業界の不透明な構造に逆に商機を見いだし、持ち前のテクノロジーも駆使して市場拡大を図ろうと昨年設立。まずは仲介手数料を売り主または買い主からしか取らない“片手”方針を明確に打ち出して事業を拡大した。そして第2弾として始めたのが、今回の「おうちダイレクト」だ。
高精度で時価推定
新サービスの最大の特徴は、ソニーが得意とする人工知能「ディープランニング」を活用し、マンションの時価を高い精度で推定する機能。自分のマンションを登録すると「4500万~5000万円」などと一定の範囲で価格を示す。詳細は明かさないが「ネット上のビッグデータやさまざまな情報を基に算出している」(ソニー不動産の角田智弘執行役員)といい、類似物件の実際の取引価格と誤差が数%と精度は高い。
推定価格を参考に、マンション保有者は自分で価格を決めて売り出す。推定価格は「ある物件を買いたい」と登録した人も見ることができる。既に数十件の物件が売りに出されており、まだ成約したケースはない(20日時点)というが、「反応は非常にいい」(風戸氏)という。