トヨタ自動車が昨年12月9日に発売した主力ハイブリッド車(HV)「プリウス」の新型車が早くも人気を呼んでいる。平成9年の登場から累計350万台超を販売した看板車種の4代目となる新型は、発売時点で予約受注が約6万件に上り納車は4カ月待ちの状態。同社の新たな生産・開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を採用した第一弾という大きな使命を帯びる中、開発チームを率いた豊島浩二氏に開発時の状況や狙いを聞いた。
--燃費が1リットル当たり最高40.8キロと3代目(32.6キロ)から大幅に改善した
「40キロを超える目標を決めていたが、燃費が良いだけのクルマと言われたくなかった。加速や走りの伸びやかさなど走行性能を犠牲にせず、燃費を改善することが一つのハードルだった。空気抵抗を減らし、エンジンの熱効率を上げるなど何度もやり直しを重ねて泥臭く開発してきた成果だ」
--看板車種として開発で意識したことは
「初代はHVの先駆けで、2代目はハッチバックなど車種を含めた新たな提案、3代目は普及という役割を果たしてきた。ただ、世界市場でHVの認知度は依然として大きくないので、4代目はできるだけ普通のクルマとして受け入れてほしかった。だから、TNGAで新開発したプラットフォーム(車台)は、低重心にして走行しやすくするなど基本性能の向上を進めた」