医療開発、企業と「意思疎通」 川崎モデル、全国から視察者 (3/5ページ)

2016.1.6 06:40

有機合成室での実験の様子=2015年11月、川崎市川崎区のナノ医療イノベーションセンター

有機合成室での実験の様子=2015年11月、川崎市川崎区のナノ医療イノベーションセンター【拡大】

  • 電子顕微鏡と片岡一則・東京大大学院教授

 マウスの実験結果が、ヒトに全て当てはまるとは限らない。前臨床試験で遺伝子がよりヒトに近いマーモセットを使えば、開発中の新薬などの安全性や有効性評価の精度が高まる。

 この実中研の進出が、バイオベンチャーや医療機器メーカーの進出を呼び込んだ。キングスカイフロントにある研究拠点「ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)」に研究室を置くバイオベンチャー、ナノキャリアの中冨一郎社長は「実中研が近くにあることは大きなアドバンテージ」だと話す。同社は体内に運ぶ薬を詰める超微細カプセル「ナノマシン」の開発を進めている。前臨床試験において、実中研で開発された実験動物の活用を念頭に置く。

 iCONMは15年4月に開業し、大学や企業から独立したまったく新しい形の研究拠点だ。同市の外郭団体である市産業振興財団が施設の管理や運営を手掛ける。4階建ての建物の中に、クリーンルームや生化学実験室、合成実験室、さらに動物を使った前臨床試験ができるヒト疾患モデル実験室を備えている。これらの実験室が同じ建物の中にあるのは、日本ではここだけだ。「視察に訪れた研究者から、『こんな施設は見たことがない』という声をよく聞く」(岩崎広和・同財団理事)

「川崎モデル」と称される支援策を詳しく知りたいと、全国から視察者が訪れる

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