マクドナルド原宿表参道店の入り口近くに掲げられた閉店を伝えるお知らせ=1月15日、東京都渋谷区【拡大】
切れ目なく話題商品
しかし快進撃とは裏腹に「店舗は裁量がなくなり、意欲が落ちる一方だった」(加盟店の元オーナー)。13年には「60秒以内に商品を提供できなければ無料券」とあおった結果、具材の入れ忘れなどのトラブルが続出した。品質が良ければ多少高くても買う消費志向の変化にも対応できず、業績は下降線をたどった。
期限切れ鶏肉の使用や異物混入問題が追い打ちとなり、赤字に転落。カサノバ氏の対応は後手に回り、昨年以降、国内最大級だった原宿表参道店(東京都渋谷区)を筆頭に、約130店の閉鎖に追い込まれた。
日本市場に見切りを付けつつある米本社は、保有株の一部売却手続きに入ったが、現場ではむしろ歓迎する声が目立つ。
1月13日、横浜市で加盟店オーナーら約3000人が参加し決起集会が開かれた。「お客さまに最高の体験を提供しましょう」。生え抜きの下平篤雄副社長は「60秒以内」に代表される効率重視のサービス基準の廃止を表明した。話題を呼ぶ新商品を切れ目なく投入する方針も示され、会場は熱気に包まれた。現役幹部は「日本主導に戻れば復活できる」と力を込めた。
ただ、消費低迷やコンビニエンスストアなど異業種との競争激化で、ファストフード業界は苦戦が続く。藤田時代とは違う環境下で、顧客を呼び戻していけるかはまだ見通せない。