握手を交わすみずほフィナンシャルグループの阿部展久氏(右)とマネーツリーのポール・チャップマン社長=23日、東京都千代田区(米沢文撮影)【拡大】
日銀のマイナス金利政策導入で、金融業界が変革を迫られる中、銀行業界が金融とITを融合した「フィンテック」の活用を急いでいる。みずほ銀行は22日、スマートフォン向けアプリで口座の入出金記録を一生、閲覧できる機能を導入すると発表した。また、静岡銀行もオリックスやNTTデータと共同研究を開始。銀行の金利負担軽減にもつながりそうだ。
みずほ銀は、資産管理アプリ開発のマネーツリー(東京都渋谷区)の技術を取り込み、生涯にわたる口座取引のデータを保存、閲覧できるようにする。従来は過去3カ月分しか閲覧できなかったため、顧客から「長期間の入出金を確認したい」との要望があった。
みずほフィナンシャルグループのフィンテック責任者、阿部展久氏は「資産を『みえる化』することで、資産運用や貯蓄について考えるきっかけにしてほしい」と狙いを話す。
一方、オリックスや静岡銀は、仮想通貨「ビットコイン」などに使われる「ブロックチェーン」と呼ばれる新技術の共同研究で合意した。データ改竄(かいざん)などの攻撃がされにくく、記録管理にかかるコストを劇的に引き下げられるという。半年程度かけて実証実験を行い、海外送金サービスなどへの応用を検討する。
オリックス銀行の寺元寛治執行役員は「顧客情報保護のため、暗号化技術を研究し、信頼性のあるサービスにしたい」と述べた。マイナス金利政策で、金融機関は利ざやを得にくくなっており、フィンテックによる業務革新を急ぐ。(米沢文)