重機を使って所員が障害物撤去の訓練を行う=茨城県東海村の日本原電東海第2発電所【拡大】
一方で、所員の緊急時対応力を磨く。竃(かまど)正夫副所長は「1カ月に1回は(どんな災害を想定しているかを知らせない)シナリオレスで訓練しマルチに対応できる能力を磨いている」と説明する。
というのも「最新の知見をすぐに取り入れ、地震と電源喪失対応の訓練をしてきたから大震災に見舞われても安全に冷却できた」との自負があるからだ。
東海第2は、5年前の3月11日に起きた大震災で外部電源を喪失する非常事態に陥った。しかし非常用ディーゼル発電機が起動し原子炉の安全を確保できた。重大事故を防ぐことができたのは、茨城県による最新評価に基づき津波対策をほぼ終えていたからだ。
東京電力福島原発事故調査・検証委員会の畑村洋太郎委員長も評価した。大震災から約4カ月後の7月15日、東海第2を視察したとき、「単にラッキーな結果だったように見えるが、日頃の努力や取り組みがあってこそ、そうなったのだと思う」と述べた。