重機を使って所員が障害物撤去の訓練を行う=茨城県東海村の日本原電東海第2発電所【拡大】
日頃の取り組みの成果は危機対応時に随所で表れた。07年の中越沖地震の教訓を生かし対策を打ってきたからだ。危機と隣り合わせの厳しい状況でも、所員は一刻を争う現場で非常用電源の一部停止で新たに必要となる電源の仮設作業、機器の復旧対応に追われた。竃氏は「果てしなく大きくなる揺れを感じたが、所員らの初動は落ち着き、統制も取れていた。『何をすべきか』を考える訓練が役立った」と振り返る。
現場を隅々までよく知る協力会社の力も借りた。当時技術統括だった仲田拓士プラント管理マネージャーは「所員だけでは無理。協力会社とは日頃から良好なコミュニケーションができていたのでスムーズに意思疎通ができた」と述懐する。
東海第2は、東電福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)。規制委の安全審査は地震・津波対策から進むが、「(BWRの)東電柏崎刈羽原発(新潟県)が合格すると、そのひな型に沿って遅れることなく解答を出せるように頑張る」と竃氏は先を見据える。(松岡健夫)