事業計画を発表する東芝の室町正志社長。グループの売上高は1兆7000億円減少する=18日、東京都港区の本社【拡大】
■売上高1.7兆円超減少
経営再建中の東芝は18日、2017年3月期の連結売上高の目標を4兆9000億円とする事業計画を発表した。営業損益は1200億円の黒字を目指す。相次ぐ事業の売却で売上高は、不正会計が発覚する前の15年3月期に計上した6兆6558億円から1兆7000億円以上減少するが、構造改革を進め、全事業の黒字化を目指す。19年3月期には売上高を5兆5000億円に回復させ、営業利益を2700億円に、最終利益を1000億円に引き上げる計画だ。
構造改革による人員削減で、15年3月期に21万7000人だったグループの従業員数が、17年3月期には18万3000人まで3万4000人減る見込み。東芝本体では17年4月入社の事務系、技術系の新卒採用をいずれも見送る。
同日会見した室町正志社長は「失った信頼や信用、企業価値は一朝一夕では取り返せない。永続的な発展を遂げられる企業へ再生したい」と述べた。
東芝は、医療機器子会社の東芝メディカルシステムズを、キヤノンに約6655億円で売却する。財務体質改善を急ぐ東芝は、約5900億円の売却益を16年3月期決算に計上する方向で調整する。冷蔵庫や洗濯機などの白物家電事業も中国の家電大手「美的集団」に数百億円規模で売却する方針で、3月末までの最終合意を目指す。