アイデアは社内の会議で高く評価されたが、ネックとなったのが消費者に商品の特長をいかに伝えるかだった。健康機能を伝えるにはトクホ制度があるが、臨床試験、国の審査が必要なために申請から認可まで1~5年かかり、開発コストもかかってしまう。
商品化へのハードルを下げたのが、2015年4月から始まった機能性表示食品制度だった。過去の研究論文を科学的根拠とできるため、届け出から60日以降で販売が可能となる。グリコが持つ研究機関「健康科学研究所」が数百件の論文を丹念にひも解き、申請書類へと再構成していったという。
佐野さんは「商品開発に直結する研究開発に限らず、基礎研究にも注力しているグリコならではの総合力の勝利だと思います」と振り返る。
ところで、砂糖の一部を難消化性デキストリンに置き換えた分、低下した甘さをどのように補ったのだろうか。多くのヘルシー志向の商品は人工甘味料などで代替するが、それではチョコ本来のコクや香りが引き出せないとされる。
山崎さんは「ミルクとカカオとのバランスを取って、スッキリした味わいに仕上げました。なお、難消化性デキストリンにはほとんど味や香りはありませんので、チョコレートの味を邪魔することもありません」と説明。カカオの風味がより引き立つようカカオ豆をじっくりロースト。そこに砂糖やココアバターなどの油脂、粉乳などを加えてじっくり練り上げて完成させたという。
チョコ好きとトクホのスペシャリストが二人三脚で生み出した「LIBERA」。同社は「“おいしさと健康”を掲げるグリコならではの、ユニークな発想と技術が詰まったチョコレート初の機能性表示食品です」とアピールしている。