サイバーエージェントSGE統括室室長の小柳津林太郎氏【拡大】
「没入型の映像やストーリーを楽しめる家庭用ゲーム事業が消えることはない」とする小柳津氏はもちろん正しいのだろう。しかし、私はどうしてもモバイルゲームやオンラインゲームが、ずるいといえるほどの優位性を持っているように思えてならない。
モバイルゲームやオンラインゲームはスタートアップのようなものだ。ユーザーのプレーに関する決め事を試したり、リアルタイムで新しい動機付けを導入したりして、リリース後もいつでも軌道修正できる。実験を繰り返して最適化を図ることができ、損失を回避し、勝ち戦では利益をさらに伸ばせる。長期的に見れば、家庭用ゲーム事業がそれに対抗するのはどんどん難しくなっていくだろう。
文:ティム・ロメロ
訳:堀まどか
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【プロフィル】ティム・ロメロ
米国出身。東京に拠点を置き、起業家として活躍。20年以上前に来日し、以来複数の会社を立ち上げ、売却。“Disrupting Japan”(日本をディスラプトする)と題するポッドキャストを主催するほか、起業家のメンター及び投資家としても日本のスタートアップコミュニティーに深く関与する。公式ホームページ=http://www.t3.org、ポッドキャスト=http://www.disruptingjapan.com/