
国内初の岩谷産業の水素ステーション=平成26年7月、兵庫県尼崎市【拡大】
なるか「水素の岩谷」
次世代エネルギーとして注目されている水素だが、岩谷産業がビジネスにしたのは昭和16年と、何と戦前にさかのぼる。
創業者の岩谷直治氏が工場の煙突から排出されたまま空気に消えていく水素に注目し、「有効に活用できないか」と考えたのが原点だ。石炭を蒸し焼きにしてコークスをつくる際などに排出されるガスに含まれる水素を取り出し、工場など企業に販売するビジネスを考案。石油精製や製鉄所などに向けた産業用として水素を販売。現在は天然ガスから水素を取り出すのが主な製造方法で、国内のシェアは7割を握るトップ企業だ。平成18年、圧縮した水素よりも約10倍の輸送効率がある液化水素がより低コストで量産可能になったことも水素ビジネスを拡大させた。
岩谷産業が昭和28年、薪や炭に代わる燃料として家庭用LPガスの供給を始めた。薪や炭をかまどにくべて火をおこすため、座り込む必要がなくなり、「台所革命」と呼ばれた。このため牧野明次会長は「今度は水素社会を実現することで第2のエネルギー革命を起こしたい」と意欲をみせる。