「やりましょう」。他のメンバーもその提案に二つ返事で応じた。全員が同じことを考えていた。
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健康ミネラルむぎ茶は、毎年のようにリニューアルを重ねている。時代とともに変化するニーズや嗜好(しこう)に合わせていかないと、消費者はすぐにそっぽを向いてしまうからだ。
「甘さを強めてほしい」
実際、高い顧客満足度を誇る一方で、消費者からはそうした声も寄せられていた。二条大麦を原料に使うアイデアは、従来の魅力に磨きをかけつつ、甘さを打ち出すという難問に対する開発陣の解答案だった。
二条大麦を使うアイデア自体は数年前から存在していたが、理想の味にならなかったためにいったん採用を見送っていた。着手前から難航が予想されたが、それでも再びトライすることにした。
六条大麦は、タンパク質を多く含み、焙煎するとそれが焼けて香ばしくなる。一方、ビール醸造にも使われる二条大麦は、でんぷんの比率が高く、甘みやコクを引き出すことができる。両者をそれぞれ焙煎した後でブレンドし、煎じれば、強みが最大限に生きた究極の麦茶に仕上がる。
だが、品種が変わるだけで製法はがらりと変わる。例えば二条大麦を六条大麦と同様に焼くと、「焦げやすく、均一に焙煎するのが難しいので、甘さも引き出せない」(忌部課長)。特に、味や香りを決定づける焙煎方法の選定には細心の注意を要した。