三菱自動車は11日、燃費データを改竄していた軽自動車4車種以外のスポーツタイプ多目的車(SUV)「RVR」など複数車種で必要な走行試験を実施せず、机上計算などでデータを取得する不正を行っていた疑いがあると発表した。実際の燃費よりも、カタログに表示されている数値が最大で15%も良く偽装されていたケースも判明した。
燃費不正問題に関する調査状況を国土交通省に報告し、益子修会長と相川哲郎社長が記者会見し明らかにした。新たな不正が判明したことで、同社は一段と厳しい状況に追い込まれるのが避けられない。
益子会長は会見で「お客さまにご迷惑やご心配をおかけしていることを深くおわびする」と謝罪。「経営責任は逃れることができない」と、自らの責任を認めた。
軽自動車4車種の燃費データが偽装されたことについて、「現実的には達成が困難でありながら、根拠に乏しい安易な見通しに基づく開発が進められた」とする調査結果も公表した。
三菱自は、平成25年6月以降に生産した軽自動車「eKワゴン」、日産自動車向けの軽自動車「デイズ」など計4車種で、データを改竄したり、机上計算したりして、燃費をよく見せかけていた。これとは別に、1991年以降、違法な走行試験を繰り返していたことも発覚している。