取締役退任後の名誉職の肩書をめぐっても鈴木氏の側近と社外取締役の意見は異なる。
「最高顧問だと全ての顧問の上という感じでよくないのではないか」。4月半ば、鈴木氏側が提示した鈴木氏の退任後の肩書をみたある社外取締役はこう指摘した。そして、「名誉顧問でよいのではないか」と切り返した。
これに対し、鈴木氏に近い役員は「退任後の肩書まで社外取締役が決めるのか」などと反発して議論が紛糾。結局4月19日の取締役会では、鈴木氏が5月26日の株主総会で退任することしか盛り込めなかった。
これまでの功績に配慮する形で、鈴木氏の影響力を残したい側近と、過去の功績は認めるが、今回の混乱の原因となった鈴木氏の影響力を残してはならないと考える社外取締役らの溝は深い。ある社外取締役は、「鈴木氏は複数いる顧問の1人であることには違いない」と強調する。
さらに4月19日の取締役会の結果を受けて、27日午後に新社長発表の記者会見を行う予定だった井阪氏に対し、鈴木氏が難色を示し待ったをかけ、会見は急遽(きゅうきょ)取りやめになった。