高級車「レクサス」に足りないものは何か 今はまだスタートライン (2/4ページ)

2016.5.29 17:13


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 レクサスが世界市場で高級車ブランドの本命とみられない主因は、本当に歴史が浅いからなのか。レクサスがアメリカで発足したとき、第1号モデルとなった大型高級車「LS400」は反権威的な機運の強いアメリカ西海岸を中心に大ヒットとなった。クルマ全体が合理的に作られ、静かで乗り心地が良く、燃費性能は抜群だった。

 とりわけ燃費は、当時アメリカで始まっていたガス・ガズラータックス(燃費の悪いクルマに課される税金)を払わないですむ初めてのフルサイズ高級車ということで、厳しすぎると言われた排出ガス規制であるマスキー法をホンダがクリアしたとき以来の日本車の快挙ともなった。それでいて価格はライバルの約半分という安さ。アメリカ限定とはいえ、レクサスは歴史ゼロの段階で高級車ブランドとしてたちまち認知されたのだ。

 高級車ビジネスをやる覚悟とビジョンの欠如

 そのLS400が生まれるきっかけを作った故・豊田英二(元トヨタ自動車最高顧問)に近しかったあるトヨタOBは、発足当初から高級車ビジネスをやっていく覚悟とビジョンが欠如していたことが今日の状況を招いたとみる。

「これまでウチが作れなかったようなものにしようと言い出した」

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