--今回の開発で苦労した点は
村瀬 今回の研究に10年近く携わっていますが、最初の頃は高品質CNTが安定的に確保できず、苦労の連続でした。
清水 素子化技術では、同じ条件下で製作しても均一の性能が確保できないことがあります。その場合、素子の製作プロセスをもう一度見直すのですが、工程が多いので問題の特定に時間がかかり大変でした。
磯貝 CNTがうまく分散ができない時があり、どういうメカニズムで分散できないかを解析するのが難しかったですね。一方で、試行錯誤する中で予想外の結果が得られ、楽しさを感じる場面もありました。
脇田 半導体CNT以外にも周辺材料が必要ですが、それらの材料開発はゼロからのスタートでしたので大変でした。
--今後の目標は
村瀬 世界初の塗布型半導体を製品化することです。ナノカーボンにはCNT以外に、シート状のグラフェンと球状のフラーレンがありますが、それぞれ発見した人はノーベル賞を受賞しています。CNTは日本人が発見しましたが、ノーベル賞を受賞していません。製品化して、その製品が広く社会貢献していけば、先人の方々の受賞につながるかもしれないので、粘り強い研究でそれを後押ししたいです。