ソフトバンクグループは2日、中国の電子商取引最大手アリババ集団の株式売却が、総額で89億ドル(約9700億円)に膨らむと発表した。1日に公表していた金額から10億ドル増えた。同社はスマートフォン向けゲーム大手、スーパーセル株の売却も検討しているとみられる。新規投資や投資先企業との協業、売却による資金回収などの動きを活発化。孫正義社長が得意とする企業投資の成果とともに、調達資金による“次の一手”も注目されている。
(高橋寛次)
当初の予定より買い手の需要があったため、アリババ株に転換する証券の発行額とシンガポールの政府系ファンドへの売却額をそれぞれ5億ドル増やしたという。
10日(米国時間)に売却する予定で、32・2%だった保有比率は約28%に下がる。筆頭株主の立場は変わらず、孫社長は「アリババの前途には壮大な成長機会が広がっており、今後もパートナー関係を継続していく」とのコメントを発表した。
主な資金使途についてソフトバンクグループは「財務体質の強化」としている。
確かに、3月末時点の有利子負債は約12兆円と巨額で財務強化は課題だ。ただ、大型M&A(企業の合併・買収)で急成長した同社だけに、憶測を呼んでいる。米ヤフーから日本のヤフーの株式を買い取るとの観測も出て、軟調だった2日の東京株式市場で、ヤフー株は3%も上昇した。
有望な企業に早期に投資し、その企業の価値向上でメリットを得てきた孫社長。5月の決算説明会では「年40数%と、世界で最大の投資リターンを上げた能力はますます意気軒高だ」と強調し、積極的な投資活動への意欲を示していた。