
セブン&アイホールディングスの鈴木敏文名誉顧問=5日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)【拡大】
--個人消費は伸び悩み、デフレ傾向も出てきている
「新しいモノをどれだけ出せるか。同じモノだったら飽きる。モノが豊富になれば、景況感は沈滞する。それを打破するのは新しさだ。例えば、セブン-イレブンの100円コーヒーは爆発的に売れた。別にコーヒーそのものは新しいモノではない。どう工夫するかでああいう新しい商品が生まれる。幸いなことに世の中も消費者の好みもどんどん変わっている。その変化に対応すればいい」
--現経営陣との接し方は
「彼らも新しいことに一生懸命になので、その努力を見守っている。一応引退したので、こうしろああしろというのは言わない。もし何かを聞きにくれば、私だっらたこう考えるよと、意見はいう。過去に何をどう考えたかは言うが、彼ら自身がどんどん変えていけばいい。発想して作り上げることが仕事だ」
「昔、ボウリングがブームになって、ほとんどのスーパーは手を出したが、イトーヨーカ堂は絶対手を出させなかった。なぜかといえば、建物を作って専門設備をつくるメーカーが設備を導入すれば非常に簡単にできあがる。そんなものすぐ行き詰まるのがわかり切っている。みんながいいと誰でも考えつくようなことはすぐに飽和する」