
オムロンが開発したセンサーは、ドライバーの運転状態が危険かどうか判定できる。写真は京阪奈イノベーションセンタ(京都府木津川市)で行われたデモの様子=オムロン提供【拡大】
同社は、さまざまな人種かつ老若男女のヒトの顔をさまざまな角度から撮影し、これらをデータベース(DB)化してきた。画像データは、局所的な濃淡を大小関係で表し、これを1か0という最少データに置き換えて処理している。このため、大きなコンピューター機器を要さず、手のひらサイズに数千枚という画像から得られたデータを収めることが可能になった。
ドライバーの状態を高精度で判定するカギはこの画像処理技術とDBに支えられている。と同時に、判断という面では“時系列ディープラーニング”の役割が大きい。これは、近年学会発表なども多く見られるようになった「RNN(リカレント・ニューラル・ネットワーク)」などといわれるAI技術の一種だ。その実用化はまだこれからのテーマだが、同社はその考え方を応用している。
自動運転車への搭載目指す
ドライバーのこれまでの状態や行動を時系列で比較し、その次に現れる状態や行動を予知する。多様な状態や行動から、危険度をレベル分けして判断するためには、瞬間の画像だけでは不十分。精度の高い判断のためには、一連の動きを時系列で追うにこしたことはないからだ。