
オムロンが開発したセンサーは、ドライバーの運転状態が危険かどうか判定できる。写真は京阪奈イノベーションセンタ(京都府木津川市)で行われたデモの様子=オムロン提供【拡大】
■“顔認識”など画像関連技術は20年の実績
オムロンは、センサーや制御に強みを持つ電子機器メーカーであり、工業製品の生産現場や交通信号、医療・健康機器など多様な分野で多くの実績を有している。今回のセンサーを開発する上で大きな役割を果している画像関連技術も、同社が得意とする分野だ。
近年多くのデジタルカメラやスマートフォン、デジタル家電などに導入されている“顔認識機能”では、50%ものシェアを有しているとみられている。同社の顔認識技術をはじめとする画像関連技術の開発は1995年にスタートし、すでに20年もの歴史がある。コンパクトな機器にこうした機能を持たせるため、処理能力の小さなプロセッサーでも利用できる“小さなデータ”の活用が特徴だ。
実はこれが非常に難しい。というのも、一般的な画像データは容量的に大きい。おのずと、パワーのある処理装置が必要となるケースが多い。同社は、長い研究の歴史の中で、そうした画像データから必要な部分を極めて小さな信号に置き換えて処理するノウハウを蓄積してきた。