
ラインモバイルの嘉戸彩乃社長【拡大】
大学卒業後は、UBS証券に入社し、NTTドコモなど通信業界のM&A(企業による合併・買収)のアドバイザリー業務などに従事して通信業界に人脈を築いた。その後、携帯電話の通信設備を屋内に設置する事業などを手がけるベンチャーの立ち上げに参加し、平成27年2月にLINEに転職した。LINEでは、事業戦略室でLINEの抱えている問題とその解決方法を探り、格安スマホ事業の立ち上げに向け、知恵を振り絞った。
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もともと、LINEでは2年ほど前から格安スマホ事業への参入の検討を続けていた。LINEの事業戦略を統括する“軍師”役の舛田淳取締役(39)は、慎重に参入のタイミングを探ってきたとした上で、スマホの普及率が先進国の中でも伸び悩んでいることを参入の最大の理由に挙げる。舛田氏は「LINEがこの事業に進出すべきかという議論とともに、日本の皆さんが格安スマホを受け入れられるタイミングなのかをみながら準備を進めてきた」と話す。
LINEの利用者からも、毎月のデータ通信量の制限を超えたために、インターネットの速度が遅くなる「パケ死」に対する不満や、「パケ死したから画像がLINEで送れない」などの声が相次いでいた。
こうした声もあり、入社から1年間、格安スマホ事業の実現可能性を調査するチームのリーダーを務めてきた嘉戸氏は、業界の競争環境を破壊してトップに立つことを意味する「ゲームチェンジャーになれる」というLINEの新規事業立ち上げ基準を満たすと判断。今年2月にはLINEの子会社として「LINEモバイル」が立ち上がった。