
アクセルスペースを率いる中村友哉氏【拡大】
□アクセルスペース創業者・中村友哉氏に聞く
宇宙開発産業ほどdisrupt(ディスラプト、破壊すること)に抵抗する産業が、他にあるだろうか。莫大(ばくだい)な予算が必要とされ、政府との強い結びつきが物を言うため、一握りの企業が宇宙空間を独占してきた。米国ではペイパル出身のイーロン・マスク氏が火星を目指して注目を集めているが、日本にも宇宙ビジネスを取り巻く現状を変えられると自信を持つ人がいる。宇宙ベンチャーのアクセルスペースを率いる中村友哉氏だ。
アクセルスペースは2008年の創業以来、超小型衛星を設計・製造し、13年には世界初の民間商用超小型衛星の打ち上げに成功した。15年末にシリーズAラウンド(スタートアップ企業に対してなされる投資)で19億円の資金を調達し、衛星打ち上げによって得た観測データを民間で活用するプラットホーム構築を進める。
◆世界初の試み
--超小型衛星とは
「100キログラムを下回る規模の人工衛星です。通常の衛星はトン級ですから、10分の1以下の重さです。また、コストも数億円ですから、伝統的なものの1%程度で済みます」
--軽くて小さければ、打ち上げのコストも下がるのですね
「もちろんです。設計、製造、打ち上げを合わせても超小型衛星なら3億~5億円です。そこで、さまざまな民間セクターでの利用や商用が可能になるのです」