【日本発！起業家の挑戦】超小型衛星が開く宇宙データ商用の道 (2/6ページ)

　－－１３年１１月に北極海域の海氷を観測する、世界初の民間商用超小型衛星「ＷＮＩＳＡＴ－１」を打ち上げました。創業から５年間の、そこに至るまでの道のりを教えてください

　「初めは開発した衛星を企業に売ろうと考えていました。玩具や地図などさまざまな企業に出向きましたが、顧客はそう簡単には見つかりませんでした。超小型衛星をどう活用すればよいのか、イメージを伝え切ることができず、私たちの提案が大企業のヒエラルキーを突破することはありませんでした。ようやく現在の事業パートナーであるウェザーニューズと超小型衛星の製作について契約を結ぶことができましたが、今度は適切な打ち上げ機（ローンチ・ヴィークル）を探すのに苦労しました」

　－－なぜ難しかったのでしょう

　「規模の大きい衛星か、あるいは大学の研究用衛星の扱いには慣れていても、商用の超小型衛星となると交渉が難航しました。超小型衛星はロケットのわずかなスペースに納まるので、他の積載物と一緒に打ち上げられます」

　－－タイミングの問題ということですか

　「タイミング、料金、保険などいろいろな問題です。世界初の試みだったので、私たちも打ち上げサービス会社もどう進めればよいのか戸惑っていました。インド企業と交渉を進めていましたが２年後に打ち切られてしまったので、また振り出しに戻りロシア企業と交渉・契約し、打ち上げの延期を経てようやく私たちの衛星が軌道に乗りました」