
アクセルスペースを率いる中村友哉氏【拡大】
--アクセルスペースは今後も商用プロジェクトに注力しますか
「もちろんです。昨年計19億円の資金を調達したので、17年中に超小型衛星を3機打ち上げる計画です。これは始まりに過ぎず、2022年までに50機の超小型衛星を配置して、世界全土を毎日観測できるようにするAxelGlobe(アクセルグローブ)というプロジェクトを進めています。農業、森林、天然資源管理、エリアマーケティングなどの分野でデータを有効に活用したビジネスができるよう、宇宙ビッグデータのインフラを整備します」
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政府との契約によって信用を築くまでもなく、アクセルスペースは革新的な超小型衛星のビジネス利用を推し進め、その結果JAXAとも契約を結ぶことに成功した。
宇宙ビジネスは、過去4年で一気に花開いた。冒頭で触れたイーロン・マスク氏のスペースX。何度も飛行できるロケットの打ち上げ・回収に成功するのは、アマゾンのジェフ・ベゾス氏が創業したブルーオリジンだ。グーグルはスペースXに出資するとともに、傘下のテラベラの衛星打ち上げを目指す。こうした大型プレーヤーの動きに目を奪われがちだが、スタートアップも独自技術で躍進している。
今後50年の宇宙開発は国家プロジェクトではなく、民間によるビジネスが原動力になるだろう。アクセルスペースの挑戦も始まったばかりだ。
文:ティム・ロメロ
訳:堀まどか