家電担当の沖津雅浩取締役は「開発段階から海外市場を念頭に置いた商品作りを指示している」と話し、独自技術を活用しながら健康をテーマに家電新製品を展開していきたい考えだ。
小型化によって、日本の高価格・ハイスペック家電の代表格ともいえるヘルシオシリーズを、海外市場に浸透させることができるだろうか。シャープロゴと同じ「フレッシュな赤」(担当者)の新製品で再起をかける。
「守り?」の東芝ライフ
東芝の白物家電事業会社「東芝ライフスタイル」は、中国家電大手の美的集団の傘下に入った。8月に東京都内で開いた記者会見では、続投する石渡敏郎社長がプレゼンテーションに立った。一方、会長に就任した美的の顧炎民副社長は前面に出ることはなく、ビデオレターで登場しただけだった。
石渡社長は、国内の開発や製造、アフターサービスが変わらないと説明。「東芝ライフスタイルがブランドやロゴを管理していく」と“不変の東芝”を強調した。
商品面でも、美的が持つ容量300リットル以下の冷蔵庫や小型の電子レンジなど東芝ブランドにはないラインアップを増やすとしたが、「(日本で)美的を展開していく予定はない」(林南副社長)。国内では外資イメージを避け、現状維持、保守的な商品展開が続きそうな雰囲気もあるが、美的のバックアップを得てインドなど新興市場への進出を目指す。