
ゆっくり走るタートルタクシー。ボタンを押すと運転席のランプが点灯し、減速する仕組みだ=横浜市港北区の三和交通本社【拡大】
タートルタクシーの展開を決断した背景には「タクシー利用者が大きく変貌しつつある」(吉川社長)ことに気付いたからだ。一昔前はビジネスマンが客層の中心で、訪問先の会社に急ぐために利用するケースが多くを占めていた。しかし、高齢化の急速な進展と景気の低迷という社会情勢の変化に伴って増えたのが、高齢者が医療機関に通うためにタクシーを利用するケースだ。高齢者は安全運転を望む傾向があり、そこに着目したタートルタクシーはリピーターの獲得にもつながっている。
さらに15年にはミネラルウオーターの車内販売を開始。今年5月からは折り畳み傘やマスクも車内販売している。これらも全て顧客目線を重視しているからこそ生まれたサービスだ。10月からは大型犬も一緒に同乗できる「ペットタクシー」を始めた。車内には空気清浄機を設置しペット用の水も用意。ペットだけを預けて、動物病院に届けるなど至れり尽くせりのサービスだ。
ユニークなのが、昨夏から始めた「心霊スポット巡礼ツアー」。乗務員の間で語り継がれている心霊スポットを案内するもので、若い女性やカップルを中心に連日盛況だった。横浜市のみなとみらい21地区にある敷地内で、車内からスポンジの弾を飛ばして、的当てをする「タクシー流鏑馬(やぶさめ)」を開催したり、11月には3億円事件の現場を巡る「3億円事件ツアー」も企画するなど、話題作りに事欠かないのも“売り”だ。