ジャパンディスプレイが開発した液晶「フルアクティブ」。4辺の縁幅を狭くし、全面スクリーンのように使える。【拡大】
現在の製造装置の精度では、1インチ当たりの画素数を示す「ppi」は液晶が800なのに対し、有機ELは400が限界とされる。液晶の方がきめ細かく、小型画面になると有利だ。
進化続く液晶
一方の液晶陣営は既存の技術に磨きをかけている。JDIが平成29年1~3月期にも投入を目指す新型液晶パネル「フルアクティブ」は、4辺の縁幅が数ミリメートルで、全面スクリーンのように使える。2枚つなげても接合部分の線が見えにくく、見開き型の大画面スマホも可能だ。
JDIの本間充会長兼CEO(最高経営責任者)「多くの顧客から液晶で(有機ELのような製品は)できるという声をいただいている」という。
シャープは、低消費電力で高精細画像の独自液晶「IGZO(イグゾー)」なら、さらに高機能化できるとみている。同社幹部の1人は「液晶も有機ELのように折れ曲がる画面は作れるし、コスト優位性もある」と指摘する。
開発競争
優位性を強調する液晶陣営だが、有機ELを放置しているわけではない。シャープは、平成30年に有機ELの試作製造ラインを稼働させる計画。JDIは、ソニーとパナソニックの有機EL開発機能を統合した「JOLED(ジェイオーレッド)」の株式を追加取得し、子会社化する調整に入った。