
東芝の本社=東京都港区(三尾郁恵撮影)【拡大】
ただ、先行きは楽観できない。インドの原子力損害賠償法は、原発事故が起きた場合、原発メーカーが賠償責任を負わされるリスクがある。ベトナムは11月、初の原発建設計画を白紙撤回した。トルコやリトアニアも政情不安や住民の反発で建設計画が頓挫する懸念が拭えない。
東芝、日立製作所、三菱重工業の3社は原発燃料事業の統合交渉を進めているが、原子炉についても経済産業省が統合を模索している。
東芝の綱川智社長は今後の原子力事業について「将来、必要に応じて位置付けを見直すことになる」と述べたが、「分社化は考えていない」とした。
15年3月末に1兆円以上あった株主資本は今年9月末時点で3632億円にまで減少した。同時点で危険水域の7.5%にとどまる株主資本比率を18年度までに10%以上に引き上げたい考えだが、原発事業が足を引っ張れば早期の業績回復は望めない。
東京証券取引所は今月、東芝の特設注意市場銘柄の指定を継続することを決定。増資をするのは難しく、最悪の場合は上場廃止となる可能性もあり、瀬戸際に立たされている。(宇野貴文)