--米国事業の立て直しが課題だ
「10年に買収した米ベアエッセンシャルの経営立て直しは重要なテーマだ。昨年は本社をサンフランシスコからニューヨークに移すなど、改革をさらに進めた。昨年9月には(別のメーカーである)米ガーウィッチ・プロダクツも買収したが、かえって改革を一気に進めるのにちょうど良いタイミングだった。米国は今年以降、良くなってくる」
--昨年10月には横浜市で研究所の建設に着手した
「グローバル展開を進める上で重要な拠点となる。研究開発への投資なくして、世界では勝てない。技術や安心・安全、機能性といった日本の化粧品の強みに磨きをかけていく」
--今年は3カ年中期経営計画の最終年度になる
「事業基盤を再構築するための3年間と位置付け、会社の抱える構造的な課題を最優先で解決することを目指してきたが、かなり達成できつつある。一方で、大阪に新工場を建設するなど、研究所以外にも次の成長に向けた布石を打っているが、今年はそうした準備をさらに進める。資生堂の未来が決まる年になる」
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【プロフィル】魚谷雅彦
うおたに・まさひこ 同志社大文卒。1977年ライオン入社。日本コカ・コーラ会長などを経て、2014年4月から現職。奈良県出身。