ウォールストリート・ジャーナルによると、サムスンはかつて利益の約4分の3をモバイル事業で得ていたが、スマホが世界的に普及し、市場の伸びが鈍化した足元では様変わりしている。サムスンが四半期ベースで過去最高の営業利益を計上した13年7~9月期にモバイル部門は利益全体の約65%を占めていたが、リコールに追い込まれた16年10~12月期の営業利益にモバイル事業が占める割合はわずか1.9%だったという。自社のスマホ販売に頼るよりも、アップルや中国メーカーへの半導体やディスプレー供給で利益を稼ぎ出す形に収益構造が大きく転換しているのだ。
iPhone8の高級・高性能のブランドイメージで、自社の局面有機ELディスプレーの技術力を市場に訴求して供給先を拡大した方が、サムスンにとってははるかに大きな利益が見込める。おひざ元へのアップルの拠点開設に目くじらを立てるよりも、アップルのビジネスをサポートした方が相互に有益との判断が働いてもおかしくないといえる。
第3の仮説は、スマホビジネスの競争のポイントが変質してきた可能性だ。
「革命は続く」-。 スティーブ・ジョブズ氏がiPhoneを世に送り出してから10年の節目にあたって、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は1月初めにこう題するコメントを発表。この中で、クック氏は「iPhoneは最初の10年でモバイルコンピューティングの基準となったが、まだ始まったばかり。最高はまだ来ていない」と、さらなる技術革新を予告している。