≪TEAM≫
■街づくりや若手社員育成にも注力
金太郎ホームの躍進の原動力は「オーナー、地元のため」に働くことだ。
佐々木数修都社長の経営イズムは単純明快。「オーナーさんのビジネスを成功させることができて初めて、私たちが幸せになれる」。社員には、サービスを売っている会社であることを意識させた。あいさつや時間管理の大切さなど、基本を教え込んだ。「できないものをどうやってできるようにするかが大切。負荷がかかっていることを克服して初めて、自分の給料になる」と励ましてきた。
若手社員の育成にも余念がない。現在進行中の「家具付き部屋プロジェクト」のビジネスモデルのたたき台をつくる責任者に、入社3年目の岡沢藍さんを抜擢(ばってき)した。岡沢さんは「『思ったことをすぐに行動し、形にする』というのが社長の考え。社員たちにも浸透している」と話す。
家具付き部屋プロジェクトのアイデアは、週に1度開かれる賃貸事業のミーティングで生まれた。約4000室ある同社管理物件の入居率は約96%と高いものの、オーナーのためには空室の4%を少しでも減らしたい。佐々木社長は「この部屋は長いこと空いたままだ。どうしたらよいのか」などと、社員に課題を与える。社員は、周辺の家賃相場や競合物件の状況を分析して対策を検討するが、家賃を下げるという対処法ばかりでは、オーナーの利益を損ねてしまう。ある日、1人の社員が「部屋に家具を置けば、お客さまが内見したときイメージを持ってもらえるのでは」と提案。佐々木社長の“鶴の一声”で事業化が決まった。