京王電鉄の強みは?【拡大】
そしてこのメディアガイドでは、「沿線エリアの特徴」として「高年収層や富裕層が多く、居住地域に満足しており、第三者にも住みやすい街として京王沿線を勧める住民が、数多く存在する人気の高いエリアです」と特徴をうたっている。
実際、それを裏付けるようなデータもある。ターミナルとなっている新宿や渋谷周辺では富裕層の読者が多い『日本経済新聞』がもっとも読まれており、住宅地の杉並区や世田谷区では大卒サラリーマン家庭の読者が多い『朝日新聞』が読まれている。特に井の頭線沿線は『朝日新聞』の読者が多く、この地域には大卒層の住民も多い。
京王線の調布市エリアより先になると『読売新聞』読者が多く、庶民的なエリアになっていく。
鉄道は平凡な印象を受けるが、利用者は他社に比べて、特徴があるのだ。しかし、それでいてそのスゴさを、強くはアピールしない。それが、京王線なのだ。
個性は「足」で発揮する
井の頭線の線路幅は1067ミリメートル、その他の路線は1372ミリメートル。井の頭線は戦前、「大東急」としてひとまとまりになる前は小田急グループだったので、線路幅が小田急と、そしてJRと一緒である。しかし、その他の路線は、かつての都電と一緒の線路幅である。もともとは京王は軌道で免許を取得し、都電との乗り入れも視野に入れていたので、この線路幅になった。しかし延伸し、事業が拡大していく中でも線路幅が変わることはなかった。