
岡山電車区で2編成だけ残ることになった湘南色の115系【拡大】
この6両も今年に入り、工場に全般検査入りする際に黄色に塗り替えられる予定だったが、「利用者からこれまでの姿を残してほしいという声があった」(JR西岡山支社)ため、湘南色の存続を決定。すでに1編成は検査を終え、ピカピカの緑とオレンジの車体で山陽線、赤穂線、伯備線などで運行を始めている。
湘南色は昭和25年、東京口の中長距離電車として登場した80系に初めて採用された。湘南地区で当時見られたみかんと緑の葉をイメージしたという説があり、以来、急行型の153、165系、近郊型の113、115系などに受け継がれ、全国の直流電化区間で活躍した。現在は地方で残るのみとなっている。同支社では「懐かしさを感じられる車両を残して岡山エリアの鉄道の魅力をアピールしたい」としている。
イベント列車で活躍
湘南色と並び、国鉄を強くイメージさせるのがクリーム色に赤い帯をあしらった塗装の「特急色」だ。新幹線が開通する前の33年、特急「こだま」で採用されて以来、電車の485系、183系、気動車の82系など、ほとんどの国鉄特急型車両を彩り、日本人が思う在来線特急といえばこの色といっても過言ではないだろう。しかし現在、この色で残っているのはJR東日本に残る189系1編成(6両)だけになった。
この編成はイベント、臨時列車に引っ張りだこだ。JR東日本は昨年12月、中央線特急「あずさ」の運行開始50年を記念した特別列車にこの編成を充当し、ファンを喜ばせた。