
会見に臨むトヨタ自動車の豊田章男社長=10日、東京都文京区(佐藤徳昭撮影)【拡大】
トヨタ自動車が10日発表した2017年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が大幅な減益となった。18年3月期も為替レートを前期の実績より円高に想定したことに加え、業績を牽引(けんいん)してきた米国市場の減速や、将来に向けた技術への投資負担が収益を圧迫して減益になる見込み。販売が鈍化する中、いかに将来の投資費用を捻出して競争力を維持するかが問われる。
豊田章男社長は同日の決算会見で、「為替の追い風も向かい風もない中で、等身大の実力が表れた」と振り返った。
トヨタは東日本大震災などの影響で減益に陥った12年3月期以降、原価改善の努力などのほか、円安や米国を中心とした販売好調の「追い風」を受けて4期連続の増益を達成。16年3月期は売上高が28兆4031億円、営業利益が2兆8539億円と、いずれも過去最高を更新した。
だが、業績拡大を後押しした追い風がやみ、環境は大きく変化した。16年3月期は平均で1ドル=120円で推移した為替レートは、17年3月期は同108円と円高に傾き、9400億円の大幅な減益要因となった。