《トヨタ自動車がブランド展開する高級車「Lexus(レクサス)」が好調だ。国内新車販売は2016年に5万台を超えるなど、右肩上がりを続けている。実はその好業績の裏側には地道な取り組みがあったのだ。[伏見学,ITmedia]》
東京・永田町--。政治家が集うこの場所では、日夜関係なく黒塗りの高級車を目にすることができるだろう。昨今その光景に微妙な変化が起きている。かつては独Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)が大勢を占めていたところに、トヨタ自動車の高級ブランド、Lexus(レクサス)が存在感を強めてきているのだ。
もっとも、永田町に限らず、街中でレクサスが走る姿を見る機会が増えたと感じている方は多いかもしれない。
それもそのはず。レクサスは新車販売台数を勢い良く伸ばしていて、2016年には国内で5万台を初めて突破した。全世界でも67万7615台(前年比104%)と、4年連続で過去最高の販売実績となった。
若者のクルマ離れが叫ばれるなど日本の自動車マーケットが伸び悩む中、なぜレクサスは好調なのだろうか。元々は米国市場向けのブランドだったレクサスが日本で展開をスタートしてから12年。いよいよ普及の次の段階に入ったと言えるが、この陰には高級ブランドには似つかないほどの地道な活動があったのだ。
雪上で“大人の遊び”
「こんな雪山をホントに進めるの?」
「どうぞ思い切ってアクセルを踏んでください!」
2017年2月末、北海道の玄関口である新千歳空港(千歳市・苫小牧市)からほど近い場所にある「新千歳モーターランド」。まだまだ春はほど遠く、大雪の降り積もる広大な敷地で、一般向けのあるイベントが行われた。