名車・モンキーが生産終了… 目前に迫った50ccバイクの滅亡 (4/5ページ)

モンキーくまもんモデル。熊本工場で生産されるモンキーとくまもんのコラボモデル。50年の歴史の中でさまざまな限定モデルが生まれた
モンキーくまもんモデル。熊本工場で生産されるモンキーとくまもんのコラボモデル。50年の歴史の中でさまざまな限定モデルが生まれた【拡大】

  • 1980年代前半。ホンダとヤマハは毎週のように新型車を発表してHY戦争と呼ばれた。50ccスポーツモデルは7.2馬力の自主規制の中で、国内4メーカーが激しく争った。
  • スズキはレースのイメージを強く投影したRG50γを、ヤマハはRZ50を、カワサキはAR50をそれぞれ投入した
  • 名作モンキーの初代モデル。リジッドフレームを持つコンパクトな車体は、クルマのトランクに積んで出かける想定がなされていた
  • 新聞配達でお馴染みのスーパーカブ50プロ。頑丈な車体と荷台だけでなく、酷使されるスタンドも専用設計
  • 二輪車の排ガス規制をクリアするためには、クルマと同じくインジェクションと三元触媒が必須だ。写真はホンダ・フォルツァの触媒カットモデル
  • ホンダの電動バイクEV-neoは企業や個人事業者に対してのリース販売専用モデル。2010年末のデビュー以来、実証実験を兼ねた運用を積み重ねてきた

ネクストジェネレーションは電動バイク?

 実は排ガス規制をクリアさせる方法は既に四輪車で確立されており、技術的にはできないことではない。精密な吸気量測定とインジェクション、それに三元触媒を組み合わせれば良い。

 しかし、この三元触媒は貴金属を原料としており、高価なものだ。低価格が売り物の原付一種に搭載できるかと言われれば難しい。コスト以外にもスペースの問題や、パワーダウンの問題があり、さらにこの排ガス対策装置の異常を検知する装置(OBD)の取り付け義務化などコスト増の要件が山盛りだ。排ガスとは関係ないが、アンチロックブレーキの義務化もある。

 さらに追い打ちをかけるのが、次回の規制だ。まだ検討中とは言うものの、2020年ごろを目安に、EURO4より厳しいEURO5の適用が検討されている。コスト増の吸収余力のある中型車以上ならともかく、50ccにはあまりにも厳しい条件である。

 こういう状況を背景にして2016年10月にはホンダとヤマハが原付一種領域における協業の検討を発表している。規制は規制として、現実社会では50ccスクーターは必要とされているし、新聞配達に使われるビジネスバイクも「なくなりました」では済まない。

 しかし、これらのバイクもどうやらエンジン付きではなくなる目算が強い。ホンダとヤマハの協業発表のリリースを見ると、既に電動二輪車の普及が強く意識されているのが分かる。今年の3月には日本郵政とホンダは電動バイクの社会インフラ整備に向けた協業を発表している。つまり長年慣れ親しんできた郵政カブも遠からず電動化されるということだ。

50ccのエンジン付き二輪車は日本から消える

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