
燃費データ測定の不正問題で、記者会見し謝罪するスズキの鈴木修会長(左から2人目)ら=2016年5月18日、国交省【拡大】
スズキが今年2月に全面改良して発売した主力の軽「ワゴンR」。ガソリン1リットル当たりの最高燃費は従来から0.4キロ向上させたが、テレビCMでアピールしたのは、簡易型ハイブリッド車(HV)システム搭載など環境性能だった。
ダイハツ工業が5月に全面改良した軽「ミラ イース」も、対歩行者事故や誤発進の回避につながる自動ブレーキを大半のグレードに標準装備するなど燃費性能よりも安全性を前面に押し出した。昨年の今頃、業界を揺さぶった燃費不正問題は、燃費一辺倒だった競争の在り方を変える“けがの功名”ももたらした。(今井裕治)
■スズキの燃費不正測定問題の経緯
・2016年5月18日
国内販売する全車種で法令で決められた方法で燃費算定せず不正に測定していたと発表
・5月31日
不正があったのは最終的に計26車種、約214万台で、改めて正しい方法で測り直した結果「(不正は)燃費に影響はない」として、各車種の燃費値は変わらないと発表
・6月8日
燃費不正測定問題の責任を取り鈴木修会長が兼務していた最高経営責任者(CEO)職を返上する社内処分を発表
・10月12日
トヨタ自動車と業務提携に向けた協議を始めると発表
・2017年5月18日
燃費不正測定問題から1年