
ワイモバイルの学割「ヤング割」をPRするピコ太郎さん(中央)と桐谷美玲さん(中央右)=1月18日、東京都中央区【拡大】
一方、MVNO契約数は増加の一途をたどっており、28年6月末では16万3000契約だったが、29年3月末には87万4000契約にまで達し、au契約者数との合計では2600万の大台に到達した。30年3月末予想も同様に、auは2477万まで落ち込むが、MVNOは前期から2倍超の178万契約まで増えて合計を下支えすると見込む。
ソフトバンクは、ワイモバイルとソフトバンクの各ブランドの契約者数を公表しておらず、29年3月期決算短信でも「ワイモバイルの契約数が順調に拡大した」と言及しているに過ぎない。しかし、ソフトバンクのワイモバイル推進本部本部長の寺尾洋幸氏は1月に「格安スマホ市場でワイモバイルは4割のシェアを得た」と胸を張った。
破竹の勢いでシェアを増やしている両サブブランドだが、総務省の会合にも出席する有識者から“疑惑”を指摘する声も聞かれる。
一般的に、MVNOの回線速度は利用者が増える昼間は低下するとされる。MVNOが携帯大手から帯域幅を多く借りれば、この欠点は解消されるが、コストがかかるため、非常に薄い利幅で事業運営しているMVNOには現実的には難しく、ほとんどのMVNO利用者がこの弱点を我慢しているのが実態だ。
しかし、有識者は「UQは昼間でも回線が遅くならないほど潤沢に帯域幅を買っているのに、料金が安いままなのはおかしい」と指摘する。UQは親会社のKDDIの回線を借りている。UQ契約者からすれば安くて速いのは願ったりかなったりだが、そのために、UQは不当に安い価格でサービス提供しているのではないか、というわけだ。