
トヨタ自動車が昨年1月に限定発売したスポーツ車「86GRMN」。ニュルブルクリンク24時間耐久レースで培った技術を生かした(同社提供)【拡大】
だが、そのイメージが大きく変化している。豊田社長の掛け声の下、2007年から独ニュルブルクリンク24時間耐久レースにGRの名称で参戦。約300メートルの高低差がある25キロの過酷なコースは「クルマを鍛え、レースの厳しい環境が人を育てる」(豊田社長)。
12年にはWECに参戦し、今年復帰した公道競技のWRCでは2戦目で初優勝の快挙を果たした。北沢氏は「(参戦は)耐久が一つの観点。極限状態で、速く安全に走り続ける知見が量販車を含めて次のクルマにつながる」と指摘する。
景気に関わらず活動
実際、トヨタは昨年1月、ニュルブルクリンクで培った技術を生かし、スポーツ車「86」のエンジンの応答性や車体剛性を上げた特別仕様車を限定100台で発売。昨年8月に一部改良した86にも反映した。
ただ、モータースポーツ活動は、費用が年数百億円に上る競技もあるなど膨大だ。トヨタもリーマン・ショックなどの影響で、09年まで8年間参戦した最高峰レース「F1」から撤退した苦い経験を持つ。
そのため今年4月に「ガズー・レーシングカンパニー」を社内に設立した。北沢氏は「モータースポーツで、改良したクルマから得た収益で活動するサイクルをつくりたい。景気に関わらず、クルマづくりの基盤となる活動として続ける」と話した。