--エネルギーや水資源は、国の安全保障に直結します
「電気やガス、上下水道といった生活インフラが、日本ほど優れている国、安定している国はほかに見たことがありません。私は仕事で世界40カ国以上に行きましたが、日本は断トツです。電気は平時に停電することはほぼありえないですし、水道に至ってはそのまま飲める国など世界に数えるほどでしょう。何よりこの状態を可能にし、支えてきたのは、日本の高い技術力と現場の努力、そして強い責任感です。高度成長期の公害問題を克服し、きれいな空気と水を取り戻すことにも成功してきました。私たちは美しい自然と豊かな生活を当たり前のように享受していますが、その裏にある先進国家としての日本の優れた技術、それを堅持し発展させてきた企業と日本人のまじめさを忘れてはいけません。エネルギー分野では震災以降、原子力発電をやめるべきとの声も強まっていますが、日本がもし原発を完全にやめれば、国内の優秀な原子力技術者の海外流出は避けられません。世界には、高度な日本の技術を欲しがっている国や企業はたくさんあります。これまでの技術の歴史や蓄積、人的資産を含めた財産を無にしてしまうような政策を日本が取ることには、断固として反対します」
--技術流出もそうですが、問われるのは日本人の安全保障意識ですね
「やはり『平和ボケ』なのでしょうか。多くの日本人には、日本が外国から攻撃される、侵略されるといった危機意識がないように思います。ある意味、平和は空気と同じでタダというか、そういう思い込みが蔓延しているようです。一方、世界の多くの国と人びとは、『今も戦中であり戦前』との意識を持っています。だから、軍備もエネルギーも強化しなければ国は守れないと考えていますし、産業スパイの取締りを含め、技術流出にも厳しい目を向けています。世界の常識を日本人だけが忘れてしまったような気がします」