ところが長男は大学院進学を希望し、男性は別の金融機関からさらに教育ローン160万円を約6%の金利で借りた。当時の月収は20万円程度。月々10万円近くに膨らんだ返済はすぐに行き詰まった。手を出したのが地元金融機関のカードローンだった。
「サラ金(消費者金融)だったら手を出さなかった。銀行という安心感はあった」
教育ローンの返済や生活費の穴埋めに50万円、また50万円…。最終的に総額は1000万円に膨れ上がり、カードローンの金利は約14%。明らかに返済できる額ではなかったが、金融機関の担当者は返済計画を問いただすこともなく、貸してくれたという。
この男性は昨年3月の退職を機に、別の金融機関で「借金のおまとめ」を売りにしたローンを借りて一括返済しようとしたが、審査に通らなかった。にっちもさっちもいかなくなり、司法書士に相談したところ、個人再生を勧められた。借金は約300万円に減り、7月から月6万円ずつの返済を開始する。
「気軽にお金を借りてしまった。取り立てもなく、返さなければという意識が働かなかった」