銀行カードローンに綻び…消費者金融と貸出残高逆転 多重債務の温床に (4/5ページ)

 融資業務と一線画す

 さらに日銀が2013年に導入した大規模な金融緩和も銀行カードローンの伸びに拍車をかけた。超低金利下で銀行の貸出金利と預金金利の差である「利ざや」は大幅に縮小し、各行が起死回生の一手として目を付けたのが高金利のカードローンだった。

 リスクがつきものの通常の融資業務とは一線を画し、銀行が損をしない仕組みも練り上げた。

 カードローン利用者に貸し出すお金は銀行が全額用意するが、利用者から入る金利の一部を傘下や提携先の消費者金融に回す代わりに、消費者金融が利用者の債務を「保証」。返済が滞った場合は利用者に代わって銀行に返済する仕組みだ。

 日本弁護士連合会の意見書によれば、三菱UFJフィナンシャル・グループの場合、傘下の消費者金融であるアコムの16年3月期の貸出残高(無担保)は7582億円、保証事業の残高は、これを上回る8857億円に達した。

 つまり、規制をつけられた消費者金融が「貸し手」から「保証人」に姿を変え、規制のない銀行の融資拡大を後押ししている形だ。

 ある大手消費者金融の社員は「銀行で実際に電話を受けているのは、うちから銀行に出向している社員がほとんど」と証言する。債務を保証するだけでなく、実際は審査や回収作業なども肩代わりしており、「丸投げに等しい状況」(同社員)という。

 「銀行としての節度というか、上品さを保つ余裕がなくなっている」

貸し金業者に丸投げすることで「銀行は借り手の姿が見えていない」

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。