【日本発!起業家の挑戦】無料WiFiへの自動接続・認証を実現 「タウンWiFi」の戦略 (4/5ページ)

タウンWiFiを運営する荻田剛大氏
タウンWiFiを運営する荻田剛大氏【拡大】

 --最大の競合アプリは

 「大きいものは1つしかありません。NTTのグループ会社が提供するJapan Connected-free Wi-Fi、通称Japan WiFiです。NTTは誰もが知る会社です。十分なマーケティング予算があり、タウンWiFiよりもリリースが3年先行していました。けれども、私たちはリリースから約1年でJapan WiFiのダウンロード数にほぼ並びました。アクティブユーザー数では勝っていたと思います。私たちは高い成長率を実現しています」

 --どうやってそこまで成長できたんですか? スタートアップが大企業に真っ向から勝負して肩を並べる、そして勝つというのは珍しいことです

 「ユーザーの使いやすさを第一に考えています。競合アプリでは、ユーザーがWiFiを使いたいときにアプリを開いて、その都度接続ボタンをタップしなければなりません。一方タウンWiFiではバックグラウンドで自動的に接続できるので、ユーザーは1度アプリをインストールして登録しておけば、いちいち考えなくても通信ができるようになります」

 市場拡大を見込む

 --NTTグループ会社には店舗へのアクセス、提携関係企業とのネットワーク、そしてマーケティング予算がそろっています。タウンWiFiの存在を世間に知ってもらうためにどんなことをしましたか

 「特になにもしていないんです。ほとんどが口コミ効果です。リリースから2週間後にはユーザーが結構いて、1カ月後には30万人になっていたと思います。そこからどんどんダウンロード数が伸びていきました。正直に言うと、こんな伸びは予測していなかったので準備もできておらず、社内はパニックになりそうでした。それだけのユーザー数に対応できるサーバーではなかったですし。とても忙しい日々が続きましたが、なんとか順調にここまでこれています」

公衆WiFiの人気は衰えるか