【臼井】なるほど……。私は自分の歩んだ道を振り返ると、好奇心が旺盛な半面、少し飽きっぽいのだと思います。銀行から当時勢いのあったゲーム業界のセガに転職後、スポーツ用品メーカーのナイキに移ったのは米国文化に対する憧れもあった。当時は未知の世界だった外食産業のマクドナルドに行ったのもそうです。コメダの社長となって4年たちましたが、どんな会社でも、マネジメントとリーダーシップという役割は共通です。
社内公用語を「英語」にする気はない
--ブラザーはこれだけグローバル化が進むと、「社内公用語を英語に」という声も出てきそうな気がします。
【小池】それはまったく考えていません。業務で外国語が欠かせない人が、それぞれの自主性で習得すればよいのです。たとえば子会社となった英国ドミノ社の業務に関わる人は英語が、グローバルの販売業務に関わる人は現地公用語での会話が必要です。アジアの現地工場との交渉も多い製造・開発部門の人は、現地工場が多い中国語や英語で会話をします。それ以外の国内業務の人にまで、会社が一斉に英語を強要する気はありません。
変身するために「何を組み換えるか」
【臼井】今日は特に、小池社長にお聞きしたかったのは「企業の変身力」についてです。国内中心のミシンや編み機のメーカーから、グローバルで展開するメーカーになりました。そして現在は、これまでのBtoC(企業対消費者)からBtoB(企業対企業)へと、主力業態の組み換えをされている。これだけの既存事業があるなか、何を精査して「次の一手」を打たれるのでしょうか。
【小池】基本的な視点では「技術の延長」「販売チャネルの延長」でできるか。それから近しい分野でチャンスがあるかでしょう。BtoCのプリンティング事業は既存事業ですが、英国ドミノ社のBtoBのプリンティング事業はこれに該当します。ただ、この会社が、現在のように国内売り上げ構成比率が下がった原因は、ミシンや編み機の「訪問販売」なんですよ。